広告配信サービス成長法の基本

アドテク業界の動きをみていると、アドテクにとらわれてビジネスの基本を疎かにしていることが多いように見えます。改めて広告配信サービスのビジネスモデルを確認しましょう。広告配信サービスは、メディアを買い、付加価値と手数料をのせて広告主に売って利益を出します。付加価値を高める方法には下記のようなものがあります。

 

  • 広告主の業務を効率化すること

使いやすい管理画面の提供など

  • メディアの業務を効率化すること

使いやすい管理画面の提供など

  • 広告価値・メディア価値を高めてあげること

マッチングの精度を上げること、広告表現方法を増やすこと、コンサル、など

 

以上のことが優位で実力があれば、広告予算は増え、メディアの掲載枠も増え、口コミで実力が伝わります。広告配信サービスを一定規模以上に成長させるにはこの実力が必須条件です。

 

一方で、付加価値の少ない実力の乏しい広告配信サービスは、成長に限界があります。営業力があれば一時的に売り上げを拡大することはできます。穴が空いたバケツでも勢い良く水を注げば瞬間的に水の量は増えるからです。広告配信サービスを詳しくない人にとっては、一度使ってみるまで価値がわかりません。ですから営業マンが頑張ればとりあえずは売上・利益をつくることができるのです。しかしだいたいそういうサービスでは、働く人が辛くなって辞めていき、組織が崩壊し、やはり長期的に水はたまりません。そして国内の広告配信サービスの多くでそのような場面がみられます。

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はじめに

1章 DSPはなぜアドネットワークに勝てないのか
・続々出現するアドテク企業
・アドネットワークに勝てないDSPの売上高
・「ネンド」「アイモバイル」強者の共通点
・「枠から人へ」は間違いだった
・アドテクの使い方が下手
・データ利用で下がる広告効果
・アトリビューションは気にするな
・DSPの構造的弱点


2章 広告配信サービス成長法の基本
・広告配信サービス成長法の基本
・1兆超の組み合わせは見えざる手で
・配信精度を磨いてLTVを上げろ
・ユーザー負担増でマネタイズ
・強引にCTRを上げろ
・コンサル強化へ
・広告とメディアの親和性を知れ

・管理画面を使いやす
・超希少な人材を確保しろ
・マッチングは最強の技術である