2015-01-01から1年間の記事一覧

DSPはなぜアドネットワークに勝てないのか~はじめに

最初に断っておきますが決してDSP(Demand Side Platform、以下DSP)を否定する意図はありません。DSPは将来性のあるサービスです。ただし現状は十分に力を発揮できていません。 2014年はアドテク業界が賑わった1年になりました。同年6月、アドテクを駆使し…

続々出現するアドテク企業

2014年はアドテク企業3社が上場。6月24日にDSPを展開する㈱フリークアウト、同年7月2日にはSSP(Supply-Side Platform)を展開する㈱VOYAGE GROUP、同年12月19日には「パーソナライズレコメンデーションサービス」を提供するサイジニア㈱。それぞれピーク時…

アドネットワークに勝てないDSPの売上高

そんなDSPですが、アドネットワークに売上で完敗と言ってよいでしょう。まずはDSPの売上から確認していきましょう。 国内DSPの最大手とみられるサイバーエージェントグループの「MicroAd BLADE」の月間売上高は5億円程度、2番手とみられる2014年に上場を果た…

「ネンド」「アイモバイル」強者の共通点

アドネットワークが強いというのは少し語弊がありまして、「ネンド」と「アイモバイル」の2社が強くて、その他は伸び悩んでいます。ではなぜこの2社が強いのか?共通点を挙げてみます。 ①配信方法が枠毎の広告効果によって枠毎に入札単価を自動で変動させる …

「枠から人へ」は間違いだった

枠を選んで広告配信するのではなく、枠に訪れる人を選んで広告配信する、いわゆる「枠から人へ」という概念が間違いでした。正しくは「枠だけから人も」です。いろいろ理由があるので順番に説明していきます。 第一に、人を選んで限定配信することはコストが…

アドテクの使い方が下手

広告配信サービスには使えない高度な機能がたくさんあります。手元にあるいくつかのDSPの資料を読むと、「天気・気温指定配信機能」や、配信先のメディアカテゴリに「政治」や「科学」、配信先のユーザーカテゴリに「ペット」「殺虫・防虫剤」などがありまし…

データ利用で下がる広告効果

次のケースで類似商品を買う可能性が高いのはどっちの人でしょうか? ①年齢も住んでいる地域も違うけど、似た商品を買う人 ②年齢と住んでいる地域が同じだけど、似た商品を買うか未知な人 もちろん①ですよね?さらに言えば②はほぼ現実的ではありません。 「…

アトリビューションは気にするな

アドテクが伸びていく中で「アトリビューション」という概念が浸透していきました。「アトリビューション」を和訳すると、「原因を帰属させること」という意味で、インターネット広告における「アトリビューション」とは、成果に対する広告の寄与度を明らか…

DSPの構造的弱点

筆者は、DPSは構造的な弱点を抱えていると考えます。それが強みになる場合もあるので一概にどっちがよいというわけではありません。 プロダクトの構成方法を「垂直統合型」と「水平分離型」の2つで言い表すことがあります。簡単に説明すると、「垂直統合型」…

広告配信サービス成長法の基本

アドテク業界の動きをみていると、アドテクにとらわれてビジネスの基本を疎かにしていることが多いように見えます。改めて広告配信サービスのビジネスモデルを確認しましょう。広告配信サービスは、メディアを買い、付加価値と手数料をのせて広告主に売って…

1兆超の組み合わせは見えざる手で

ユーザー×枠×クリエイティブ×LP×タイミング×料金 これは広告とメディアの組み合わせが発生する地点ですが、それぞれ平均100以上の組み合わせがあるとすると、100の6乗なので1兆以上の組み合わせが発生します。この1兆超の組み合わせをどうマッチングさせてい…

配信精度を磨いてLTVを上げろ

予測LTVで親和性を判断するのはマッチングの考え方ですがLTVをいかに上げるかは別の問題です。配信精度を磨き上げてLTVを上げて付加価値を増やしていきましょう。 最近、凄いなと思ったアイデアに某社が導入した「秒数リタゲ」という機能があります。同機能…

ユーザー負担増でマネタイズ

ノンインセンティブのネット広告の平均的なCTRをご存知でしょうか?わずか0.2%前後です。そんな状況でどんなにアドテクを駆使してもマッチングの精度を上げるだけではCTR1%を超えるのは至難の業です。解決策は簡単です。ユーザーの負担を増やしてしまえば…

強引にCTRを上げろ

2014年、「ネイティブ広告」というワードが国内の広告業界を賑わせました。「ネイティブ広告」とは、一見すると広告に見えない自然な広告のことです。先にアメリカで流行ったことで日本でも火がついたようです。なぜ今かというと、ネットメディアのマネタイ…

コンサル強化へ

アドテクが進化しようとも人にしかできない大事な領域もたくさん残されています。例えばCTR・CVRを上げる方法には、アドテクができる部分とできない部分があります。できない部分にはCTR・CVRの高いバナーをつくること、CVRの高いLPをつくることです。アドテ…

広告とメディアの親和性を知れ

広告とメディアの親和性を知らないアドテク業界人は少なくありません。このため無駄な営業をし、営業コストは増大し、サービスが立ち行かなくなることもあります。 では親和性の高い広告にはどんな傾向があるでしょうか? アドネットワークやDSP経由の広告は…

管理画面を使いやすく

面白くない内容ですが、管理画面を軽視するサービスも多いので言及します。広告配信サービスが簡単に広告効果を上げる方法は管理画面を使いやすくすることです。現にNo.1の「ネンド」の管理画面は使いやすくて有名です。アドテクを使いこなすには管理画面が…

超希少な人材を確保しろ

何度も言ってしまって恐縮ですが、アドテクサービスは基本ができていないことが多いです。基本は簡単ではありませんが、効率的にサービスを成長させることができます。ではどうしたらその基本ができるのか? 結局はその基本ができる優秀な人材が最低でも1人…

マッチングは最強の技術である

マッチングは、アドテクに留まらないその他いろいろな場面で応用できる最強の技術です。 よく考えてみると、身の回りのものは誰かがマッチングさせたもので溢れています。筆者の目の前にあるパソコンが機能しているのは、ディスプレイ、CPU、ソフト、電気、…