アトリビューションは気にするな

アドテクが伸びていく中で「アトリビューション」という概念が浸透していきました。「アトリビューション」を和訳すると、「原因を帰属させること」という意味で、インターネット広告における「アトリビューション」とは、成果に対する広告の寄与度を明らかにすることです。

 

従来の広告効果は、コンバージョン直前の最終クリックからだけを追っていました。しかし、これではネット広告をみてリアル店舗で買い物した場合などの間接的な効果がわからず、真の広告効果を測定できていませんでした。であればリアル店舗経由の購入も広告効果として評価したほうが正確だろうということです。

 

たしかにそのとおりなのですが惑わされていけないのは「アトリビューション」は所詮、間接効果ということです。まずは直接的な効果をちゃんと検証するべきです。例えばAの広告配信サービスとBの広告配信サービスを使って、Aの直接的効果が高ければ十中八九、間接効果もAの方がよいのです。つまりネット広告のサービスを比較検証する際にはアトリビューションを気にする必要はめったにありません。

 

「アトリビューション」はサービスの実力を隠すときに使いやすい営業トークの代表格になっています営業マンがいきなり「アトリビューション」と横文字を並べてきたら警戒してください。アトリビューションよりも大事な指標は、CPM、CPC、CTR、CVR、CPA、LTVなどです。

--

はじめに

1章 DSPはなぜアドネットワークに勝てないのか
・続々出現するアドテク企業
・アドネットワークに勝てないDSPの売上高
・「ネンド」「アイモバイル」強者の共通点
・「枠から人へ」は間違いだった
・アドテクの使い方が下手
・データ利用で下がる広告効果
・アトリビューションは気にするな
・DSPの構造的弱点


2章 広告配信サービス成長法の基本
・広告配信サービス成長法の基本
・1兆超の組み合わせは見えざる手で
・配信精度を磨いてLTVを上げろ
・ユーザー負担増でマネタイズ
・強引にCTRを上げろ
・コンサル強化へ
・広告とメディアの親和性を知れ

・管理画面を使いやす
・超希少な人材を確保しろ
・マッチングは最強の技術である