超希少な人材を確保しろ

何度も言ってしまって恐縮ですが、アドテクサービスは基本ができていないことが多いです。基本は簡単ではありませんが、効率的にサービスを成長させることができます。ではどうしたらその基本ができるのか?

 

結局はその基本ができる優秀な人材が最低でも1人以上チームor組織に必要でしょう。アドテク業界は「人材大事度合いが強い」方だと認識し、採用に注力する必要があります。「採用に注力している」と言いつつ、ほぼ一律の条件でしか採用できない会社も多いのが現状です。

 

アドテク業界に必要な技術とはなにか。まずは、実務、コミュニケーション、マーケティングなどの、基本的なビジネスの勉強・経験が必要です。その上で、人格者であり、考えるのが好きであり、数字も得意。キャリアとしては、広告主側、メディア側、中の人、それぞれの立場で複数のアドテクサービスを利用していると望ましいです。この組み合わせの人材は国内に3桁いないと思います。

 

アドテクど真ん中の仕事内容というと地味な部分が多く、好奇心旺盛なタイプには長続きしにくい面があります。そんな業界に、そんな希少な人材を留めておくというのは簡単ではありません。具体的な人材確保術は他の書に譲るとして、とにもかくにも人材に注力する姿勢が大事ということです。

 

アドテクは新しい業界なので人材が少ないけど、マス広告出身者がいるじゃないか?とはなりません。マス広告とネット広告はだいぶ勝手が違います。例えばCMですが、ネット広告に比べると時間も金もたくさんかかる上に効果測定は難しいです。このため広告とメディアを組み合わせる経験がネット広告と比べると極端に少なく、さらに効果を追えないからフィードバックしにくいのでネット広告のスキルとはズレがあります。両方経験している方が望ましいのですが、中途半端に両方経験している程度でしたらあまり意味がありません。

 

またメディアでアドテクを論じているような方でも、実際には不要なアドテクの機能を導入してしまうようなタイプの方も多いので注意が必要です。また学者も危険です。すでに終了してしまったサービスですが、某一流大学と共同開発したシステムを導入したはずのアドネットワークがありましたが、大したアルゴリズムだとは思えませんでした。

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はじめに

1章 DSPはなぜアドネットワークに勝てないのか
・続々出現するアドテク企業
・アドネットワークに勝てないDSPの売上高
・「ネンド」「アイモバイル」強者の共通点
・「枠から人へ」は間違いだった
・アドテクの使い方が下手
・データ利用で下がる広告効果
・アトリビューションは気にするな
・DSPの構造的弱点


2章 広告配信サービス成長法の基本
・広告配信サービス成長法の基本
・1兆超の組み合わせは見えざる手で
・配信精度を磨いてLTVを上げろ
・ユーザー負担増でマネタイズ
・強引にCTRを上げろ
・コンサル強化へ
・広告とメディアの親和性を知れ

・管理画面を使いやす
・超希少な人材を確保しろ
・マッチングは最強の技術である