配信精度を磨いてLTVを上げろ
予測LTVで親和性を判断するのはマッチングの考え方ですがLTVをいかに上げるかは別の問題です。配信精度を磨き上げてLTVを上げて付加価値を増やしていきましょう。
最近、凄いなと思ったアイデアに某社が導入した「秒数リタゲ」という機能があります。同機能はLPに○秒以上滞在したユーザーに対してのみ再度広告を配信するものです。広告配信のテクニックの一つに一度広告と接触したユーザーに再度広告配信する「リターゲティング」という機能があるのですが、どこまで来たユーザーに対して再配信するの段階を選べます。以下の4つのパターンがあるとして、数値が大きくなるほど良質で希少なデータといえます。
①一度広告を見たユーザー、②一度広告をクリックしたユーザー、③一度広告をクリックして、さらにその先に進んだユーザー、④CVしたユーザー、⑤LTVの高いユーザー
この中で①のユーザーに広告を表示させても当たり前ですが大した広告効果はありません。②もクリックだけならミスクリックも多いので大した有効なユーザーデータではありませんが、LPで一定以上の時間滞在していたユーザーに限っては良質なデータと言えます。ここで力を発揮するのが「秒数リタゲ」というわけです。③と④と⑤だけだと希少過ぎてデータが少ないので、ユーザーへの接触を増やしたい場合には②と③の間にあたる「秒数リタゲ」を使うのです。ついでに言うと、そもそも③のデータすら有効活用できていないことが多いですが、かなり有効なデータなので大いに利用しましょう。ユーザー視点を除けば、広告のすべてをリタグにすることが望ましいです。
また現在、新規広告を配信する際は配信先をざっくり決めて配信開始し、その後明らかになるデータを使って徐々に配信精度を高めるケースがほとんどです。しかし、広告ジャンルとメディアとユーザーの親和性はすでにある程度判明しているはずです。有効利用していきましょう。
ここで問題です。eCPMが同じで、違うのはCPCとCTRだけ(原理的にはありえない)の場合、メディアにとってどっちらが嬉しいかわかりますか?
答えはCTRが低い方です。一般的にCTRを高めたほうがよいなどと言われることが多いので、この感覚はわかりにくいですよね?わかりやすい例で説明すると、CTR100%なら1ユーザーが1つの広告をクリックして報酬は終わりですが、CTR0%なら複数の広告の報酬を得ることができる、つまり広告をクリックするまでもなく高い報酬を発生させていることになります。現在のDSPやアドネットワークは、報酬が確定する地点を「imp」か「クリック」かにしていますが、これでは報酬と負担の割合が不公平になり配信精度は下がります。より正確にするなら「imp」と「クリック」、それぞれの価値を別にカウントすべきです。
配信精度を磨く方法は、わかる方ならいくらでもアイデアが湧いてくるでしょう。磨きまくりましょう!
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1章 DSPはなぜアドネットワークに勝てないのか
・続々出現するアドテク企業
・アドネットワークに勝てないDSPの売上高
・「ネンド」「アイモバイル」強者の共通点
・「枠から人へ」は間違いだった
・アドテクの使い方が下手
・データ利用で下がる広告効果
・アトリビューションは気にするな
・DSPの構造的弱点
2章 広告配信サービス成長法の基本
・広告配信サービス成長法の基本
・1兆超の組み合わせは見えざる手で
・配信精度を磨いてLTVを上げろ
・ユーザー負担増でマネタイズ
・強引にCTRを上げろ
・コンサル強化へ
・広告とメディアの親和性を知れ