ユーザー負担増でマネタイズ

ノンインセンティブのネット広告の平均的なCTRをご存知でしょうか?わずか0.2%前後です。そんな状況でどんなにアドテクを駆使してもマッチングの精度を上げるだけではCTR1%を超えるのは至難の業です。解決策は簡単です。ユーザーの負担を増やしてしまえばよいのです。広告のサイズを大きくしたり、ページを遷移する際に全面広告を挟んだり(インタースティシャル広告)、コンテンツのような広告(記事広告)を増やしたり。テレビはCMという全画面広告を挟んでおり、しっかりと利益を確保しています。

 

マネタイズによる負担を誰にどれだけ負わせるのかは収益モデルによって変わってきます。広告主の負担を増やすなら割高な料金設定にして焼き畑的に売り逃げる。メディアの負担を増やすなら割安な報酬設定にする。業者の負担を増やすなら手数料を少なくすればよいのです。ユーザーの負担を増やすならメディアに訪れるユーザーを100%広告のリンク先に飛ばしてしまうのがよいわけです。もちろんユーザーを殺してしまうことになるので長期的には儲かりません。金逆にユーザーの負担0%なら広告ゼロがよいわけです。

 

従来のネットメディアはユーザーの負担増には慎重でした。ネットメディアは競争が激しいのでユーザー負担を増やせば、他メディアに流れてしまうのでは?と慎重になりやすいです。しかしそのせいでネットメディアは広告で利益を出しにくくなってしまったのです。ユーザーに負担をかけることは慎重になる必要はあるのですが、メディアに訪れるのはユーザーの自由意思に委ねられているので、ユーザー側が過剰に不満を持つのは少々疑問が残ります。

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はじめに

1章 DSPはなぜアドネットワークに勝てないのか
・続々出現するアドテク企業
・アドネットワークに勝てないDSPの売上高
・「ネンド」「アイモバイル」強者の共通点
・「枠から人へ」は間違いだった
・アドテクの使い方が下手
・データ利用で下がる広告効果
・アトリビューションは気にするな
・DSPの構造的弱点


2章 広告配信サービス成長法の基本
・広告配信サービス成長法の基本
・1兆超の組み合わせは見えざる手で
・配信精度を磨いてLTVを上げろ
・ユーザー負担増でマネタイズ
・強引にCTRを上げろ
・コンサル強化へ
・広告とメディアの親和性を知れ

・管理画面を使いやす
・超希少な人材を確保しろ
・マッチングは最強の技術である