強引にCTRを上げろ
2014年、「ネイティブ広告」というワードが国内の広告業界を賑わせました。「ネイティブ広告」とは、一見すると広告に見えない自然な広告のことです。先にアメリカで流行ったことで日本でも火がついたようです。なぜ今かというと、ネットメディアのマネタイズ技術が成熟・上達してきたなのだと思います。
なぜネイティブ広告の効果がよいのかわかりますか?
シンプルに言えばCTRが高いからです。ユーザーは普通の広告はそう簡単にクリックしようとしませんが、ネイティブ広告なら自然にクリックします。通常の広告の平均CTRが0.2%前後なのに対して、ネイティブ広告ならCTR10%以上も目指せます。やや強引な誘導になるので1クリックあたりの広告価値は下がりますが、それを圧倒的に上回るCTRの高さなので1impあたりの広告価値は上昇します。もちろん強引過ぎる誘導は推奨しません。
さらに広告価値を高める方法にユーザーにインセンティブを付与するという方法があります。ユーザーが広告をクリックしたり、広告の商品を買ったりするとユーザー自身にポイントやお金が付与されるというものです。「リワード広告」と言ったりします。これは「ネイティブ広告」よりもさらに強引に誘導するので、1クリックor1CVあたりのLTVは下がるのですがCTR&CVRが上昇することもありeCPMは急上昇する場合があります。
従来の考え方の一つに広告に誘導したクリックは不正というものがありました。グーグルのアドセンス広告が厳しく禁じていたためメディアは慎重に対応しておりました。このことを参考にしたのか、国内で出てきたアドテクサービスも同様にクリックへの誘導を禁じることが多かったのです。この考え方に縛られてしまうとネイティブ広告という発想は出にくくなります。
しかし実はいわゆるアフィリエイト広告では、クリックに誘導するということが普通に行われてきました。グーグルアドセンスなら広告をクリックした時点でメディア報酬が発生しますが、アフィリエイトはCVするまでメディア報酬が発生しない(発生するパターンもある)ため、クリックに誘導することは悪にならなかったのです。これを応用して、クリック誘導を許可するならそれ相応の単価・成果地点に変えればよいでしょう。
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1章 DSPはなぜアドネットワークに勝てないのか
・続々出現するアドテク企業
・アドネットワークに勝てないDSPの売上高
・「ネンド」「アイモバイル」強者の共通点
・「枠から人へ」は間違いだった
・アドテクの使い方が下手
・データ利用で下がる広告効果
・アトリビューションは気にするな
・DSPの構造的弱点
2章 広告配信サービス成長法の基本
・広告配信サービス成長法の基本
・1兆超の組み合わせは見えざる手で
・配信精度を磨いてLTVを上げろ
・ユーザー負担増でマネタイズ
・強引にCTRを上げろ
・コンサル強化へ
・広告とメディアの親和性を知れ